リビングやダイニングは家族全員が過ごす、共用の場所であり、家族にとってリラックスできる場所だと思います。
そんな「みんなで過ごす場所」はいつもきれいにしておきたいものですよね。
しかし、仕事・家事・育児と毎日忙しく過ごしていると、
- 「さっき片付けたのに、すぐにまた子どものおもちゃで散らかってしまう…」
- 「子どもにいつも”片付けなさい!”と言っている…」
- 散らかった部屋を見ると気が滅入ってしまうし、リラックスできない…
- とにかく疲れた、何もしたくない…
などといった悩みを抱えているのではないでしょうか?
今回は小さい子向けのお片付けについてお話したいと思いますが、3歳くらいの子が1人で完璧にお片付けをするのは、正直まだ難しいです。
しかし、片付け方を見直し、片付け方を教えることで、子どもが少しずつ行動できるようになり、やがて片づけが習慣になります。
まれに「大人になれば自然とできるようになる」とか、「必要になったらやるでしょ」、といった考えもありますが、それは間違っていると思います。
なぜなら片付けには具体的な方法があり、日々の積み重ねや習慣で成り立っているからです。
子どもが小さいうちに片付け方を学ぶことができれば、
- 「リビングがいつも家族のものでいつも散らかっている!」
- 「子どもが一人暮らしをしたら汚部屋になった!」
なんて事態を避けることができるかもしれません。
片づけも知識や技術の1つ。学ばないと上手くできるようになりません。
一緒にお片付けについて学んで、子どもに伝えていきましょう!
片づけにはプロセスがある
「皆さんは普段、どのようにお片付けをしていますか?」
そう質問され、「何を言ってるんだろう?片づけは片づけでしょ」と思ったなら要注意です。
片づけには整理・整頓・清掃といったプロセスがあるからです。
つまり本当はやることがいっぱいなのに、「片づけしなさい」と一言で終わらせてしまうから、子どもも何をしていいか分からず混乱してしまうのです。
子どもに片づけを教える際はこの整理・整頓・清掃を、どれだけ分かりやすく簡単にできるかという点が重要になってきます。
そのためには大人が「整理・整頓・清掃」とは何か理解していないと、子どもに教えるのは難しいので、まずは簡単に説明をしたいと思います。
整理とは
「いるもの」と「いらないもの」を分け、「いらないもの」を捨てる
整頓とは
「必要なもの」を「必要な時」に「必要なだけ」取り出せるようにする
清掃とは
キレイに掃除する。キレイな状態を保ち、点検する。
片づけは順番を守らないと二度手間に!
片づけにおける順番はとても大事です。
必ず、整理→整頓→清掃の順番で行います。
例えば一番最初に「整頓」を行ったとします。
そうすると、本当はいらない物まできれいに並べたり、収納したりすることになり、時間の無駄になってしまいます。
一番最初は「整理」する、つまり不必要なものを捨てることが大事です。
「清掃」に関しては、「整理」のあと、または同時進行でもOKです。
しかし「整理=分類・処分」の前に「清掃」をしてしまうと、あとで奥からたくさんのホコリが…なんてことに。これも二度手間ですよね。
子どもに片づけを教える方法7つ
それでは、子どもにも分かりやすく「整理・整頓・清掃」を教えていきましょう!
具体的な方法は以下の7つになります。
- おもちゃの上限(収納)を決める
- 本当に大事なおもちゃだけ残す【整理】
- 取り出しやすい収納を作る【整頓】
- 分かりやすい収納を作る【整頓】
- 親の都合を押し付けない
- 小さいうちは「一緒に」片づけて手順を教える
- まずは親が片づける
1つずつ説明しますね。
1.おもちゃの上限(収納)を大まかに決める
「収納する場所を決める」と言うと、「それじゃあ新しいおもちゃ箱を買おう!」と考えてしまう人がいますが、ちょっと待ってください。
収納する場所は増やさない。
これは鉄則です。
片づけの順番は「整理」からでしたよね?
先に収納場所を増やすと、不要な物を取っておく原因になってしまいます。
なので、まずは今ある収納を利用します。
現在おもちゃがあふれている収納はありませんか?
もしくは、「いつもおもちゃをしまっているけどグチャグチャ」という場所はありませんか?
もしかしたら「おもちゃの定位置」すら決まっていないかもしれません。
まずは「ここにおもちゃがスッキリ収納出来たらいいなぁ…」という場所を、大体でいいので決めてください。
カラーボックスや衣装ケースの引き出し2つ分など、各家庭にあったおもちゃの上限を決めるつもりでスペースを確保します。
そこにおもちゃがキレイに収まっている状態をイメージすると、お片付けのモチベーションになります。
そして、その場所に収まる量までおもちゃを減らすことが目標です。
子どもには、「ここを片付けて○○ちゃんのスペースにしよう。ここにおもちゃがスッキリ片付けられれば気持ちいいよね~」などと声をかけます。
子どもも「自分のおもちゃをしまう自分だけの場所」ができると喜んでくれます。
当然のことですが、おもちゃを収納したい場所に子どもの物以外の物が入っているなら、まずはそれを片付けましょう。
2.本当に大事なおもちゃだけを残す【整理】
大体の収納場所を決めたら、次はおもちゃを「整理」します。
つまり、「”いる”おもちゃ」と「”いらない”おもちゃ」に分けて、いらないものは捨てます。
子どものおもちゃは誕生日のプレゼントからお菓子のおまけなど多種多様で、すぐに増えやすいです。
そのため、この「整理=捨てる」という作業はとても重要ですが、
「これってまだ使うかな?もったいないな…」
なんて、大人でも判断に迷いますよね。
そのような時は親が「これはあんまり遊んでないよね?」などの助言をしてあげてください。
しかし、実際に捨てるかどうかは子どもに決めさせ、判断力を養うことが大切です。
そうして、先に決めておいた「収納したい場所」に入る量までとにかくおもちゃを減らします。
分かりますよ…子どもに一つずつ確認なんて面倒ですよね。1人でやってしまった方がラクですよね…。
だからといって大人が勝手に判断して捨ててしまうのは大きな間違いです。
捨ててしまったおもちゃは、どんなにボロボロでも、安っぽいおもちゃでも、子どもにとっては「大事なもの」の可能性があるからです。
最悪の場合、子どもとの信頼関係が崩れます。
そして何より、勝手に物を捨ててしまうことで、子ども自身に「いる・いらない」を判断する力が身に付きません。
この判断力こそが、片づけできるかできないかの大きな分かれ目なのに、です。
最初は少し大変ですが、一度キレイに整理できれば、次は量も減ってラクになっているはずです。
なので、必ず子どもと一緒に「整理=処分」しましょう。
子どもとおもちゃを「整理」する際の手順についてはこちらで詳しく紹介していますので、ぜひ見てみて下さい。
どうしてもおもちゃが捨てられない!または、こどもの「いらない」という判断に不安が残る…なんて場合は、ぜひおもちゃのローテーションを試してください。
収納場所には1軍のおもちゃだけを残し、段ボール箱などに2軍のおもちゃは詰めて、普段は子どもの目に入らないところ(押入れの奥など)へしまっておきます。
「あのおもちゃどこ~?」などと聞かれれば出してあげれば良いです。
そうでなければそのまま保管しておき、1~2か月くらいで1軍のおもちゃと入れ替えます。
そうすれば2軍のおもちゃも新鮮な気持ちで遊べますし、1軍・2軍それぞれの中で特にお気に入りの物や、逆にあまり興味を示さない物も分かってきます。その時にもう一度整理すると良いです。
3.取り出しやすい収納を作るコツ2つ【整頓】
「整頓」は、「必要なもの」を「必要な時」に「必要なだけ」取り出せるようにすることでしたね。
取り出しやすい収納を作るコツ2つ
- 物を出し入れするのに必要な動作(アクション数)が少ない
- 適度に分類されている
次で詳しく紹介する、「一目で分かりやすいこと」も取り出しやすさには重要です。
「物を出し入れするのに必要な動作(アクション数)が少ない」とは?
物を出し入れするのに必要な動作とは、「引き出しを開ける」、「箱を取り出す」、「箱を開ける」、「ふたを閉める」などがあげられます。
これらの動きが何回あったかということを、「アクション数」として表現しています。
このアクション数が多ければ多いほど、物を出す時に散らかり、片づけは大変になります。
箱の中に箱があったら、取り出すのも片づけるのも面倒ですよね。
「引き出しを開けたらすぐに目的の物を取り出せる」など、アクション数は2回程度であることが理想です。
特に子どもは「あのおもちゃどこ~?」と探すことも多く、必要な物を探すために他のおもちゃを片っぱしから広げてどんどん散らかすことがあります。
アクション数が少なくなると片付けもラクになるので、収納を見直してみましょう。
「適度に分類されている」とは?
大人が仕事で使う書類や道具は、細かく分類されていた方が取り出しやすく使いやすい場合もあります。
しかし子どもの収納ではどうでしょうか?
「おままごとのなべはキッチン台のここの場所、食べ物はこのケース、食器類は…」
などと細かすぎる収納にしてしまうと、いちいち考えながら収納するのが面倒で結局子どもは片付けなくなってしまいます。
おままごととプラレールとブロックが同じケースに収納されるのはダメですが、一つの遊びに関連するおもちゃはまとめておくのも大事です。
4.分かりやすい収納を作るコツ4つ【整頓】
子どもが自分で片づけをするためには、どこに収納すればいいか「一目で分かる」ことが大切です。
分かりやすい収納を作るコツ4つ
- 定位置を決める
- 動線を考える
- ラベルや写真で中身を表記する
- 中身が見える収納にする
定位置を決める
定位置が決まっていないと「どこにしまおう…」と迷い、結局めんどくさくなって片付かなくなってしまいます。
「使ったらいつもの場所(定位置)に戻す」を徹底すれば散らかりません。
物を探すことも無くなり一石二鳥です。
動線を考える
よく遊ぶおもちゃの定位置を取り出しにくい場所にしてしまうと、片付かない原因になります。
おもちゃの使用頻度に合わせて、動線を考えながら定位置を決めましょう。
一緒に遊ぶことの多いおもちゃは近くにまとめるなど工夫すると良いです。
一度決めた定位置でも、生活しながら使いやすいように改善することも大切です。
ラベルや写真で中身を表記する
定位置を決めたら、分かりやすくラベルを貼ります。
収納場所くらい覚えられるだろうと思っていても、意外とどこにしまったか分からない、何が入っているか分からない、なんてことが多いからです。
記憶を頼りに片づけることは地味にストレスなので、収納場所を覚えられず片づけなくなります。
大人や文字の読める子にはマスキングテープなどに中身を書いて、引き出しやら箱やらに貼っておけばOKです。
就学前などの字がまだきちんと読めない子は、字を読むことで一生懸命になり疲れてしまうので、イラストや写真で中身を表示することが有効です。
中身が見える収納にする
ブロックやおままごとのようなかさ張るおもちゃは、大きめのケースに入れてラベリングすれば良いですが、子どものおもちゃには細かいものもありますよね。
我が家では、100均で買ったペンや折り紙、リカちゃん人形の着替えや小物などなど。
そういった、量は多くないけど分類しておかないと探すのが大変な物たちは、100均で購入した透明のケースに収納しています。
ファスナーが付いている袋タイプのケースや、プラスチックでできた硬いケースなどです。
それら透明なケースたちをまとめて大きなボックスに入れていますが、中身が見えているので探すのも簡単ですし、余計な散らかりを防げます。
5.小さいうちは「一緒に」片づけて手順を教える
子どもはめんどくさがり屋です。
自分がたくさんのおもちゃを広げたくせに、「片づけ嫌だ~ママやって~」なんてよく言われます。
空腹や眠気、甘えなどが原因で「やりたくない」とぐずられることもあります。
しかし実際は、
「どこから片づけたらいいか分からない」
「まず何をすればいいか分かっていない」
「”片づけ方が分からない”ということを分かっていない」
なんてことの方がむしろ多いです。
この時にやってはいけない親の行動が2つあります。
やってはいけない親の行動2つ
- 「自分がやった方が早い」と親が全部片づけてしまう
- 「早く片付けなさい!」と怒る
確かに親がやってしまった方が早くてラクなのですが、それでは片付けの習慣が身に付きません。
子どもを少しでも片付けに参加させることが大事です。
そして子どもを怒ってしまうこと。私もつい怒っちゃうんですが、これは完全に逆効果ですね。
片付けに慣れていない子どもからすると、(どうすればいいか分からないのにママが怒ってる!)という感情でいっぱいになって「もうイヤ~~!!」となります。
とにかく子どもはおもちゃがたくさん散らばっている光景を見て、何から手を付けたらいいのか分からず、パニックになってしまうのです。
子どもへの声のかけ方
- まずは「自分が遊んだものは自分で片付けなければならない」ことを伝える
- 「1人で片づけが難しければ手伝うね」と声をかける
- 親は積極的に片付けず、片付けの道筋を言葉で伝える
- 片付けのの必要性とメリットを教える
当たり前のことのようですが、「自分が出したものは自分で片付けなくてはならない」ことは、何回でも教える必要があります。
「パパ・ママが片づけてくれるのが当たり前」になってしまうと、子どもは自分で片付けようなんて思いません。
大きくなったらやるように…なりません。
しかし、今まで片づけをしてこなかった子にいきなり「全部自分ひとりで片付けなさい!」と言っても、何をしたらいいのか分かりませんし、とにかくめんどくさいと感じるはずです。
そこでまずは、「一緒にお片付けしよう」や「難しいなら手伝うね」と声をかけます。
親が手を出して片づけていくのではなく、1つずつおもちゃを渡して、何をどこに片づければ良いのか説明してあげます。
例1)「おままごとの箱はどれ?おままごとの箱にフライパンはしまってね」
例2)「これはブロックだから、ブロックの箱にしまおうか」
例3)「おままごとの箱もブロックの箱も、元の場所にしまおうね」
それぞれの箱や収納場所には分かりやすくラベリングしてあるので、子どももスムーズに動けるはずです。
そして、「なぜ片付けなければならないのか」という片付けの必要性やそのメリットについて納得しないと、子どもが自ら片付けようとは思ってくれません。
「みんなで過ごす場所だから」
「空間が整うと気持ちよく快適だから」
「物探しで無駄な時間を使わなくて済むから」
「物を大事に使うため」
他にもお片付けの意義はたくさんあると思いますが、一緒に片づけながら子どもにも分かりやすい言葉で伝えていくことが重要です。
5.親の都合を押し付けない
お出かけ前の様子を例にあげてみます。
とある日。この日は買い物に行くだけなので時間に余裕があります。
「今からお出かけするから、早く部屋をきれいにしなさい!」と怒ったとします。
しかし次の日。
この日は予定があり、時間に遅れるわけにはいきません。
「もう時間が無いから、片づけなんてしてないで早く準備して!」と怒ってしまいました。
いかがでしょうか。
子どもからすれば、ある日は片づけせずに怒られ、別の日は片づけをすると怒られた、という矛盾が生じています。
「大人にはいろいろと事情があるのよ、優先順位を考えなきゃ…」と思うかもしれません。
しかし、子どもにそんなことは関係ありません。
大人の都合に振り回され、ただ混乱しただけです。
このような矛盾した行動を取ると、子どもの中での片付けの優先順位はどんどん下がっていきます。
そのうち子どもが「今忙しい!」なんて言って、片づけしなくなります。
その対策として、「寝る前には必ず部屋をきれいに片づける」などのルールを決め、最低これだけは必ず守ると徹底します。
ルールは各家庭で守りやすい内容に設定してください。
ご飯のあとに眠くなってしまう子は、「毎日晩ご飯の前には必ず部屋をきれいにする」とか。
朝が強い子なら、「毎朝部屋を掃除して学校に行く」などです。
決めたルール以外のタイミングでは、大人の都合を押し付けて怒ったりすることがないよう注意しつつ、片付けする余裕のある時は片づけを促すと良いと思います。
7.まずは親が片づける
普段からきちんと片付けできてるよ、って人には関係ないですが…
まずは親が片づける。これが一番大事かもしれません。
子どもにばかり「片付けなさい」と言っているが、実はリビングには親の服や小物が散らかっている…なんて状況だと説得力がありません。
子どもが一生懸命片付けたとしても親の物で散らかっていれば「キレイになった」という達成感も得られにくいです。
まずは親が片づけて、片づける姿勢と片づけのメリットを実際に見せてあげましょう。
まとめ(本の紹介)
今回のお話は、子どもに片づけを教える方法について紹介しました。
2歳半にもなると、子どもは大人の言っていることをよく理解しているな、と感じることが増えます。
そのため、「子どもだから言っても分からない」といった先入観は持つべきではないと感じています。
きちんと親子でコミュニケーションをとって言葉で伝えることで、3歳の子どもでも行動できるようになります。
とは言え、1~2歳の小さい子が弟や妹にいる場合はなかなか難しいかもしれません。
上の子がせっかく片づけた物を片っぱしから散らかしていく…なんてこともあるでしょう。
そのような時期は多少のあきらめも必要です。
片づけを放棄するという意味ではありません。
片づけの大切さを教えるというスタンスは崩さず、完璧を求めすぎないようにしてください。
子育てにストレスは大敵です。
年齢に合わせて、できることから教えていくという姿勢が大切だと思います。
参考にした本を紹介しますのでぜひ読んでみてください。
捨てる手順や収納についてそれぞれ詳しく書いた記事もあるので、ぜひ見てみてください。
「トイサブ」もおすすめ!
おもちゃも収納も増えなければ散らかりません!
自分でおもちゃは買わず、定期的におもちゃをレンタルできるサービスを利用するのもおすすめです。
小さい頃は、「考えてもなかったようなおもちゃにすごく集中して遊んだ」なんてことがあります。
いろいろなおもちゃに触れて子どもの「好き」を見つけられれば、結構コスパがいいですよね。
良かったら参考に。
目次
コメント