こんにちは。助産師のはなです。
多くの助産師は、毎日毎日ひたすら沐浴をしています。
そんな沐浴マシーンな助産師の私が、これだけ押さえとけば、あとは適当でいいよ~、といった沐浴のポイントをお伝えします!
おそらく産婦人科ではあまり教えてくれないであろう、一般的ではない沐浴の方法もお伝えするので、良ければ参考にしてください。
ちなみに、沐浴の必要物品については別の記事で紹介しています。必要最低限で物品をそろえられるように紹介しています。
ぜひこちらも参照ください↓
【沐浴物品】自分にとって本当に必要な物品を見極める方法
沐浴の方法って小難しい…
沐浴の方法は、どこの産婦人科でも『沐浴指導』という形で説明が受けられると思います。
しかしそこで受ける説明は、より教科書的で一般的な沐浴方法になります。
顔は3の字に拭いて、背中を洗う時はひっくり返して…
「ああああー分からん!覚えられない!ひっくり返す?怖い!」
って学生の時に思ってました(笑)
私たちは仕事で、人様の赤ちゃんをお預かりして沐浴をする立場なので、もちろん教科書的な正しい沐浴方法を学ぶ必要がありましたが、一般のママたちがそこまでする必要はあるのでしょうか。
ひっくり返して背中を洗うのなんて、学生の頃に結構練習させられましたよ…
ほとんど赤ちゃんを触ったことがない人には、難しいのではと思います。
ご家庭での沐浴において重要なのは、赤ちゃんの体を、安全に、かつ楽しく、清潔にできることです。
そのうえで、ママの負担が少しでも減ってくれれば嬉しいですね。
ココだけは押さえておいてほしいポイント!
ということで、簡単な沐浴の流れと、ポイントを先に説明しちゃいます。
- お風呂の前にタオル、服、オムツ、保湿剤を準備しておく
- 着替える場所、沐浴する場所が寒すぎないように室温を調整する
- すべって落とさないようにしっかり支える
- お湯の温度はぬるめ
- 沐浴は5分以内
- 体は泡で優しく洗う(できれば顔も)
- 首、脇、股など皮膚の重なる部分は丁寧に洗う
- きれいに泡を流す
- 優しく拭いて、保湿する
これだけです。
いやいや、細かいことが知りたいんだけど、と言われそうですね。
でも、気を付けることって、本当にこれだけなんです。小難しいことを考えるから、余計に沐浴が不安になるんです。
もちろん、もう少し詳しく知りたい、って人もいると思うので、後からきちんとした手順も説明しますね。
赤ちゃんの耳は押さえなくていいの?
私は頑張って押さえなくていいと思っています。
仮にあなたがシャワーを頭から浴びて、耳に水が入りますか?プールに潜ったとして、毎回必ず耳に水が入りますか?
そんなに簡単に水が入ることは無いですよね。
赤ちゃんを水の中に沈めたりする人はいないと思いますし。
耳を押さえることに集中して、しっかり抱っこができなくなるくらいなら、耳は押さえなくていいです。
優先順位が高いのは、安全に支えることです。
お湯の中で支えながら洗うから、すべって怖い
体を洗うときも、必ずベビーバスのお湯の中で洗ってあげる必要がありますか?
バスタオルやマットに寝かせて、泡をつけた両手で洗ってあげるのはどうでしょうか。背中は頭を持ち上げるか、体を横に向けて洗い、お尻は足を持ち上げて洗えばオッケーです。
片手で支えて、片手で洗うより安全じゃないですか?
水圧を弱くしたシャワーで泡を流し、最後にベビーバスに入れて温めてあげてもいいですね。
二人で沐浴すれば簡単にできるかけ湯(上がり湯)も、一人だと大変です。
上記の寝かせて洗う方法なら、寝たまま泡を流せばいいので、ベビーバスの中という不安定な状態でかけ湯をしなくて済みます。
仮にベビーバスの中で洗う場合でも、最後にベビーバスから赤ちゃんを出して、タオルなどに寝かし、シャワーを優しくかけてあげれば解決します。
タオルを使うと洗濯物は増えますが、ワンオペで赤ちゃんを落とさないかビクビクしながら沐浴をするよりマシだと思います。
どこで沐浴する?誰が沐浴する?
家庭の事情というのは、人によって千差万別ですね。
自分がどうやって沐浴するのか、産後の状況と住環境を想定して、出産前から考えておくことが大切です。
里帰りもしない、旦那さんの帰宅も遅い、手伝いに来てくれる人もいない、という人は、全て自分でやらなくてはいけませんよね。
いわゆる、ワンオペというやつです。
本当に大変ですよね。
より自分が簡単かつ安全に沐浴できる方法を選びましょう。
沐浴は必ず浴室でやる必要はありません。キッチンでも、洗面台でも、綺麗に洗って使えばオッケーです。そこにバスタオルを敷いて洗ってもいいし、お湯をはってもいいです。
二人以上で沐浴ができるのであれば、一般的なベビーバスを使用する方法でも問題ないはずです。
一人が支えて、一人が洗ってあげると、より安全です。
沐浴の方針を決めましょう
ここまで読んで下さった人なら、ご自身の状況に適した沐浴方法が少しは浮かんでくるのではないでしょうか。
ご家庭の状況に合わせて、どう沐浴をするのか考えた上で必要物品をそろえましょう。
沐浴の必要物品について、後日詳しい記事を書きますのでお待ちください。
沐浴の方法【詳しい手順】
それではここからは詳しい沐浴の手順を説明します。
沐浴において安全に行うこと以外に大切なのことは、沐浴をする人が笑顔で赤ちゃんに語り掛けてあげることです。
赤ちゃんと家族の大切なコミュニケーションの時間になります。
沐浴の不安をなくして、楽しいお風呂タイムにしましょう!
準備
ベビーバスを使用する場合は、まずお湯をはっておきましょう。
赤ちゃんを裸にしたあとで、あ!お湯入れてない!ってならないように(笑)
湯温は38~41℃くらいで、気温や時間がたって冷めることを考慮して準備して下さい。実際にお湯に入る時に40℃未満になってるといいと思います。
大人が肘(正確には二の腕の柔らかいところ)をお湯につけて温度を確認しますが、ちょっとぬるいかな?くらいが丁度いいです。
湯温が高すぎると、赤ちゃんにとっては負担になり、疲れてしまいます。また、肌が乾燥しやすくなるので気をつけて下さい。
お風呂にいれてあげる前に必ず、タオル、服、オムツ、保湿剤を用意しましょう。
これを忘れると悲惨です。
慌てるし、特に新生児は早くオムツを当てないと、尿を飛ばしてしまうなど残念なことになります。
服、オムツ、バスタオルの順で重ねておくと便利ですが、バスタオルが薄いと下に敷いた服が濡れることがありますので注意しましょう。
必ず重ねる必要はないですが、慣れない人は新生児を抱えて服を敷くという動作が少し大変かもしれませんので重ねておいたほうが安心です。
抱っこの方法
服を脱がせ、しっかり抱っこします。
右利きの人は、左手の親指と人差し指・中指で頭を挟むように持ちます(コップを持つように)。水をすくう時の手の形だと、すべって危険です。
右手は股の間からお尻をすくうように支えて持ちます。親指は太ももの付け根に添えるような感じです。
ベビーバスを使用する場合の沐浴の方法
お湯に入れる前に、自分の肘をお湯につけて、本当に温度が熱くないか、冷たくなりすぎていないか、確認します。
温度が問題なければ、赤ちゃんを足からそっとお湯の中につけます。
いきなりバシャッとお湯に入れると、赤ちゃんもビックリして高確率で泣きます。
ゆっくりお湯に入れても泣くときは、お湯の中で体をゆらゆら揺らしてあげたり、足先をベビーバスの壁につけてあげると落ち着いてくれます。
沐浴に慣れていない方は、沐浴布(薄いフェイスタオル)をかけてあげた方が赤ちゃんが落ち着くし、保温効果もあります。
沐浴布や体を濡らすように、手で赤ちゃんの体にかけ湯します。
お湯に慣れたら、上から下に向かって、体を泡で優しく洗います。
具体的には、頭、顔、体、背中、股、の順番ですが、きれいになればいいので、あまり洗い方や順番にはこだわらなくて大丈夫です。
顔も泡をつけて洗いましょう。基本はすべて手で洗います。
ガーゼハンカチを使用すると、こすりすぎになり、必要以上に油分をとってしまい、乾燥の原因になることがあります。
頭や顔に泡をつけて洗ったら、先に流します。目に入ったり、泡を食べてしまうことがあるからです。
もし顔の泡が流しにくい場合は、ガーゼハンカチにたっぷりのお湯を含ませて、優しくなでるように流しましょう。
くびれている部分(首や脇、股)は汚れがたまりやすいので丁寧に洗いましょう。
最後にかけ湯をします。
シャワーで大丈夫です。水圧と温度に注意して優しくかけてあげましょう。
先ほど記載したように、1人で行う時はバスタオルなどに寝かして、両手を使って優しく流してあげると簡単で安全です。
寝かせて洗う場合(ベビーバスを使用しない方法)
服を脱がせたあとバスタオル等の上に寝かせます。
シャワーの水圧と温度を調整します。シャワーの温度は38~40℃程度で良いと思います。気温に合わせて調整してください。
足先からゆっくりシャワーをかけます。片方の手で撫でてあげながら流すといいですね。
頭は片手で支えたほうが流しやすいと思います。全身を温めながら濡らしてあげた後は、泡をつけて全身を洗います。
洗う手順はベビーバスを使用する際と同じなので、そちらを参考にしてください。
泡を流す時もシャワーを使って流します。
泡がきれいに流れれば、それで沐浴を終了してもオッケーですが、冬場などの寒い季節は、別でベビーバスを用意して、短時間入浴させてあげてもいいです。
沐浴は5分以内で(前後の着替えを合わせて10分以内)
大人でも熱い湯船につかったら、5分でのぼせてしまうこともあります。
体温が環境に左右されやすく、体力もない赤ちゃんにとって、沐浴はとても疲れる行為です。
そのうえ赤ちゃんは、たとえ熱くてしんどくなったとしても、自分でお風呂から出ることはできません。
大人が十分に注意して沐浴しましょう。
体を拭いて着替えさせる
沐浴が終わったら、すぐにタオルで包むように拭いてあげます。
赤ちゃんの皮膚は薄いので、絶対にゴシゴシしないように。
お風呂で入浴した場合、脱衣所が寒ければ暖かい部屋へ移動しましょう。
すぐにオムツを当て、軽くとめます(特に新生児は尿を飛ばされることがあるので)。
オムツをめくりながら肌の保湿を行います。
少し水分が残っているくらいでボディーローションを塗るとよく伸びます。
肌ケアの話は別の記事で詳しく紹介してますので、ぜひこちらも参照ください↓
実はアレルギー対策になる!赤ちゃんの保湿ケア
保湿が終わったら、オムツを整え、服を着せます。
迎え袖といって、袖の先からお母さんが手を入れて、赤ちゃんと手を繋ぎます。そのまま服を引っ張って袖を通します。
たまに髪の毛をドライヤーで乾かすのか、と質問を受けますが、特に新生児のうちは自然乾燥で大丈夫です。
むしろ熱風を当てるのは熱すぎてしまいます。
かといって冷風を当てると、赤ちゃんの体は冷えやすいので湯冷めする可能性があります。
タオルで優しく水気を拭き取ってください。
沐浴後の水分補給は?
お風呂のあとは母乳またはミルクを欲しがるだけあげてください。
昔は白湯や麦茶を与えていたようなので、おじいちゃんおばあちゃんが飲ませるように言ってくるかもしれません。
離乳食が始まるまでは、白湯や麦茶はいりません。
白湯などでお腹がいっぱいになってしまうと、本来飲むはずだった母乳やミルクの分の栄養が不足してしまう場合があります。
おじいちゃん、おばあちゃんに説明し、きちんと理解してもらいましょう。
以上が沐浴の方法になります。
安全に楽しく沐浴ができることを願っています。
沐浴物品をまだ揃えていない方は別記事で紹介しています。
ぜひこちらも参照ください↓
【沐浴物品】自分にとって本当に必要な物品を見極める方法
沐浴卒業後のワンオペお風呂についても紹介しています。
ぜひこちらも参照ください↓
【ワンオペ】沐浴卒業後はどうする?赤ちゃんとのお風呂の入り方について紹介します
それでは。
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